漫画、ジャズ、演劇。アートの香り漂うクリエイターの町、杉並区阿佐ヶ谷のエリアガイド。

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第61回「阿佐谷七夕まつり」開催！（2）

 「阿佐谷七夕まつり」の"夜"ならではの演出を楽しむ！

昼間に比べて、駅前の提灯や中杉通り沿いに吊るされた提灯の光が宵闇に映え、まさに星祭りである七夕らしい風情が街全体を包んでいました。せっかくなので、"夜"ならではの演出もあるのではないかと、インフォメーションで尋ねたところ、南口駅前でチラシ配りをされていたスターロード商店会の粕谷様が詳しいと聞いたので、早速、夜の七夕を楽しめるスポットをうかがってみました。

そこで紹介されたのが、川端振興会の一角にある釣り堀「寿々木園」さんです。幻想的な雰囲気を楽しめる穴場と聞いて、行ってみることに。「寿々木園」は多彩な飲食店が集まる川端振興会を進み、ちょっと小道に入ったところに忽然と現れる都内では珍しい住宅街の中にある釣り堀です。小道に入る分岐点には提灯を持った人たちが「寿々木園」への誘導をしてくれていました。

幻想世界「寿々木園」

小道を抜けると、目の前に釣り堀の池が現れ、そこには灯りの入った魚のはりぼてが、淡い光を放ちながら浮かんでいました。それぞれ形が異なることもあってか、風を受けて一つひとつが違う方向へと静かに水面にたゆたっている様は幽玄。「阿佐谷パールセンター」などの賑わいとは全く隔絶されたような幻想世界。釣り堀の周辺に座っている人たちも静かにその情景を楽しんでいるようでした。お盆の精霊流しを思わせる風情に、私もしばらくゆっくりと流れる時間を体感してみました。

「阿佐谷七夕まつり」に訪れる他エリアの人たちでごった返す、JR阿佐谷駅南口からほんの徒歩３分程度の場所にこんな穴場があろうとは。はりぼて飾りやジャズコンサート、納涼まつり、縁日、ねぶた、盆ダンスなど、さまざまなイベントも同時開催され、各飲食店も多くの人で賑わう「阿佐谷七夕まつり」ですが、ちょっとした息抜きに最適。穏やかな気分で、星空を見上げたい気分にさせてくれます。

癒しの空間「阿佐谷美術館」

「寿々木園」から駅方向に向かおうとしたところ、先ほどの分岐点に立っていた道案内の人たちから、もう一つ夜ならではのオススメスポットがあると紹介されたので、行ってみることにしました。分岐点から今度は北へ向かい、JRのガードをくぐって「阿佐ヶ谷北口駅前スターロード商店会」へと入ります。

こちらも一軒一軒は小さいけれど個性的な飲食店が立ち並んでいるエリア。そこをさらに進むとすぐに「阿佐谷商和会」。阿佐ヶ谷駅周辺には多くの商店街が軒を連ね、今回のイベントもその内の11商店会が参加しているのです。「阿佐谷商和会」の道筋にも誘導スタッフが提灯を持って立っていてくれたので、オススメスポットの場所がすぐにわかりました。さすがに61回目ともなると誘導・治安といった配慮にも抜かりがなく、土地勘がなくてもMAP片手に安心して夜道を歩くことができます。

そこはちょっと温室のような建物で、入口には「阿佐谷美術館」という表示が掲げられていました。日頃はギャラリーとして利用されているそうです。ガラス張りなので外からでも全景が見えるのですが、覗き窓が設けられていて、そこから眺めると同じ魚をテーマとしたアートでも「寿々木園」とはまた違う面白さが味わえる深海世界が創り上げられていました。

覗く角度によって微妙に見え方が違ってくる面白さもあります。色とりどりの魚や海洋生物たちが蛍光色に光り、ちょっと中に引き込まれそうな気持ちに...。癒される空間です。

２種類のおさかなアートを見た後、いよいよメイン会場となっている「阿佐谷パールセンター」へ。こしらはアーケード街の明るいエリアなので、日中とはそれほど変わらないのではないかなと思っていたのですが、日中だと店内がよく見えない店舗も電灯の光で店内を見渡すことができ、これまで何度か訪れていたにも関わらず気づくことがなかった、和風雑貨の店や三味線・琴を扱う楽器店、昔ながらの乾物屋さんやお茶屋さんなど、昭和レトロな風情が際立って、周りの賑わいをよそに、「阿佐谷パールセンター」の魅力をまた一つ発見したような、"夜ならでは"の情景に心和んだ散策となりました。

第61回 阿佐谷七夕まつり（3）へつづく

■ 第61回「阿佐谷七夕まつり」
http://www.asagaya.or.jp/
開催日程：2014年8月6日（水）-10日（日）
主催：阿佐谷七夕まつり連合会
後援：杉並区・東京商工会議所杉並支部

■ 釣り堀　寿々木園
住所：杉並区阿佐谷南3丁目38-33
電話番号：03-3398-0607
営業時間：8:00-日没
定休日：金曜日